今回は「030. Muṇika jātakaムニカ」
マハーローヒタ(大赤)と名づけられた兄牛は、弟牛のチュッラローヒタ(小赤)に美味しいごちそうを食べている豚のムニカを羨んではいけないよと次の詩を唱えました。
死ぬ前の食べ物を食べている豚を羨ましがってはいけません。
代わりに、謙虚に籾殻を食べることが大切です。
これは長寿のしるしでもありますよ。
【この物語の教訓】
① 仏教では、「慈しみ」「哀れみ」は良いのですが、「愛着」「愛情」などは悪いといっているのです。
② 一般的に人は皆、思う存分贅沢をして、やりたいことをやって、自由奔放に生きることが出来れば幸福だと思い込んでいるのです。でも実際に、我々にはそのような生き方を実現出来るものでしょうか。いくら財産に恵まれても、苦しみは他の側面から攻撃してくるのです。
③ 勉強するべきときに苦労して勉強しないで、いざ試験が迫ってきても徹夜して頑張ることさえせず、仕事に就いても真剣に励まないで、怠けたりふざけたり遊びほうけたりする人々もいます。しかし彼らの「楽しみ」は束の間のもので、結局は一生不幸な人間で過ごすことになります。
④ 地道にこつこつと生きることこそが、幸せな生き方です。
詳細はジャータカ朗読会のHPをご覧ください。 来月は「033 Sammodamāna jātaka サモーダマーナ」。ウズラたちは、仲の良いときは力を合わせて、鳥捕りの網から逃れていたが、やがていさかいを起こしたために破滅が訪れたという物語です!
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