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018.Matakabhatta jātaka死者への供物

《あらすじ》
 その昔バーラーナシーにおいてブラフマダッタ王が国を統治していたとき、一人のバラモンが、「死者への供え物を捧げよう」と、一匹の羊を捕らえさせ、弟子達に、「おい、この羊を飾りたててから連れてきなさい」と命じました。

彼らが言われたとおりにすると、その羊は自分の前世の行為を見て、「自分は今日こそ、このような苦しみから逃れることが出来るのだ」と喜びの心が生じ大声で笑いました。そしてさらに、「このバラモンは、私を殺すことによって、私が受けてきたような苦しみを得ることなるだろう」とバラモンに対する憐れみが生じ、大声で泣きました。

羊は前世を思い起こす智慧の力によってバラモンに語りました。「バラモンよ、私は前世で、あなたと同じく聖典を読誦するバラモンでしたが、死者への供え物を捧げようとして一頭の羊を殺したために、四百九十九の生涯において首を切られました。そして今度が私にとって最後にあたる五百番目の生涯なのです。この苦しみから逃れられると思うと、喜びが生じ笑ったのです。また、私を殺せば、あなたは以前の私のように今後五百の生涯において首を切られる苦しみを得ることになるだろうと思うと、あなたへの憐れみが生じ泣いたのです」 と。

バラモンは羊を解放し、羊は葉を食べ始めましたが、丁度そのとき雷が落ちて、岩の一角が崩れて羊の伸ばした首に落ち、頭を断ち切りました。

その場所に樹の神として生まれていた菩薩は、人々の見ている前で「これらの生ける者たちは、このような悪事のもたらす結果を知るならば、おそらく生き物を殺すことはしなくなるであろう」と、次のような詩句を唱えました。

もし、生きとし生けるものが
「生をもつことは苦しみである」と知るならば
生き物が生き物を殺すことはなくなるであろう
生き物を殺す者は、必ず悲しむことになる

こうして人々は地獄の恐ろしさにおびえ、生き物を殺すことをやめました。菩薩は説法をして大勢の人々に戒めを守らせ、業に従って生まれ変わって行きました。人々は菩薩の訓戒を守り、布施などの善行為を行って天界に生まれました。

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